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by mlsenyou
 
イラクの事件
香田証生さんが亡くなられた。
この事件については先の拘束された人達と同様どころか、それ以上に非難が多い。

確かに彼のとった行動は非常に軽率だったし、先に拘束された人とは目的も意識もまったく異なる。非難されるだけのことをしてしまったということなのだろう。
しかし、彼の事件に自分自身を重ねてしまった人は(特にバックパッカーの中には)多いのではないだろうか。
少なくとも私は彼の事件に自分自身を重ねてしまった内の一人だ。

香田さんのイラク入りの理由を考えるところ、「好奇心」と「自信」が判断力を鈍らせてしまったのではないだろうか(もちろん好奇心も自信も人によって感じ方が異なるし、これはあくまで私の経験からの推測を前提としているため確実なものではない)。

まず、好奇心だが、これは人を前に推し進める原動力になる反面、危機意識を麻痺させる危険性も併せ持つもの。旅人は一人で各国を旅するくらいだから、概して好奇心は旺盛だ。
未知の国へ行って自分の知らない世界をその身で知る。そういう好奇心ゆえに旅をしている。まして「報道の伝える事実」と「真実」の相違を知ってしまうと、真実を知りたい欲求はそれまで以上に高まってくる。
だから「イラクに行きたい」という気持ちが出てきてしまう、その気持ち自体は責められるものではない。
しかし、多くの人はその気持ちを抑え、イラク行きを踏みとどまるだろう。
なぜなら、通常の好奇心を上回るレベルでイラクの治安に対する危機意識が働くからだ。
では、それにも関わらず彼はなぜ行ってしまったのだろうか。
ここで、自信の問題になる。

自信は、人を強気にさせて交渉などを有利にさせる代わりに、無謀な行動をとらせる危険性も併せ持つ。
旅を続け、多くの国境を越えていると、次第に「旅慣れてきた」という気持ちが芽生え、初めの頃の不安感が次第に薄れてくる。そして、人とは少し違う経験をしたくなり、また、実際にそれは可能なことだと思ってしまう。それが無謀と紙一重の性格を持つ「自信」というものだ。
ところで、彼はヨルダンにいた。
バックパッカーといってもピンキリで、ヘビーな人もいればライトな人もいる。多くの旅人は会社や学校の夏休みに旅に出るというようなライトなバックパッカーだ。だから「ちょっとヨルダンまで旅してきます」という人は多いとはいえない。そういう意味でヨルダンはいわゆる旅のマイナー国だ。しかも、この国は彼のいたニュージーランドからは地理的に遠い。まさか、いきなりヨルダン入りしたわけではないだろう。ということは、おそらく彼はヨルダンに着くまでに幾つかの国境を越えてきたことになる。
本格バックパッカーと同様のルートを辿っていくうちに「意外と何とかなる」「何があっても自分だけは大丈夫」という自信が深まっていったこと。それは彼の年齢から考えると十分に想像できることだ。
このような経緯で得た自信は無謀に変わりやすい。
その結果、自信が好奇心と結びついて、危機意識を抑えてしまった。
そしてイラク入りしてしまったのだろう。

以上に述べた理由が合っているかどうかは別として、彼がイラク入りしてしまったのは事実だ。そしてその行動はあまりにも軽率だった。
ただ、彼の気持ちが分からないわけでもないため、事件の経過は非常に気になっていた。希望に反して結果は最悪のものになってしまったが。

「もし今より数歳若い時に、同じ状況にいたとしたら、ひょっとして自分も同じ事をしてしまったのではないだろうか?」
その疑問を明確に否定できる自信はない。だから、彼に対する多くの非難のように、単純に暴言で切り捨てることはできない。

できれば無事に解放されて、自分のとった行動に対する影響の大きさを知り、日本で責任をとって欲しかった。そしてそこから多くのことを得て今後に生かして欲しかった。
しかし、現実はそういうわけには行かず、彼自身は非難を浴びることすらできずに、その短い生涯を終えてしまった。

うまく文章化することができたかは分からない。
ただ、この事件は他人事に思えない衝撃的なもので、そして非常に残念な結果に終わってしまった。それだけはいえる。
彼の死に対し、心からご冥福を祈る。
そして、イラクを始めとして多くの国々に存在する理不尽さや無益な争いの消滅を祈る。
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by mlsenyou | 2004-11-02 02:36 | Trackback(1) | Comments(0)
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Tracked from 軟綿綿日記-中国/上海/.. at 2004-11-03 23:16
タイトル : 思うままに書きました
イラクの事件 本当に、まったくもって他人事とは思えない事件です。 私も学生時代には多くのバックパッカーの方たちに遭遇しましたが、 自分を含めて日本人若者の危機意識の希薄さを現在は感じます。 平和そうに見える日本で育ってきた私たちの世代のバックパッカーたちは、 別の刺激を求めて、海外でどのような危険な目にあったかを 競うように武勇談を交し合います。 学生時代の私は、馬鹿な人たちだな、などとは思いながらも、 今思うと自分も同じようなことをしていたのかも知れないという気持ちです。 ...... more
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3年半リーマン生活の後、半年間、中国+東南アジア10カ国を旅する。
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