+13392
国内外の旅と株投資+その他のBlog。各国の旅や株関係の記事は「メイン目次」や「カテゴリ」、「検索」からどうぞ。

by mlsenyou
 
戦争証跡博物館(ホーチミンシティ)
東南アジアを周っていると、必然的に戦争や植民地時代のことなど過去の暗い話が出てくる。

ホーチミンシティ(サイゴン)でベトナム戦争を取り扱った博物館に訪れた時のこと。
館内にはアメリカがベトナムに対して行った様々な非人道的行為が記録として刻まれていて、中には思わず目をそむけてしまうようなものもあった。
例えば写真。
銃撃か爆撃か…へそから下がもぎとられたベトナム人の死体を、まるで捕えた獲物のようにつかみ、持ち上げ記念写真を撮るアメリカ人。不敵な笑みを見せるその顔は文字通り「鬼」に見える。
あるいは、展示物。
化学兵器の影響で生まれた奇形児のホルマリン漬け。
人でないようだが人だったその姿。
ホルマリンに生を吸い取られた彼らの死体はもはや物にしか見えない。
かえってそれが不気味さを増す。

博物館の目的には平和追求を訴える他に、反米感情を失わせないこともあるのだろう。ベトナム国内にある限り、何らかのバイアスがかかっているのは想像できる。
ただ、そのバイアスを割り引いて考えてみても、残虐さは目に余る。
戦争は人を狂わすものなのか、もともと人が持っている性質の一部を拡張するものなのか、どっちにしても通常では考えられない状態になるのは確かなようだ。
残虐が日常になった時、当事者の命の感覚は魚や野菜とさほど変わらないのだろう。

ところで、この博物館にはノートが置いてあった。
ベトナム戦争の惨状を見て、何かを感じた人たちが書き留めていくものなのだが、これを読んでいくうちに憂鬱さは更に広がっていった。
「戦争反対」
「アメリカはイラクへの挑発をやめろ!」
「NO MORE~~」
すべて否定、禁止語。
言っていることは正しいし、その様になって欲しい。しかし、戦争というマイナスな行為に対して否定、禁止というマイナスな言葉で対抗するのはどうなのか。「~してはいけない」という言葉がずっと守られてきた例は果たして今までにあったのだろうか。
否定、禁止語を用いるのは誰にでもできる簡単な意思表示だ。
でも、行為を抑えるということは、フラストレーションをためて次の大きい災害に結びつけるだけなのではないか。
そう考えるとどうにもやりきれない思いが込み上げてきて、ノートを見るのが辛くなってくる。
何をすれば…何を考えていけばいいのか。

もうこれ以上ノートを見るのはやめよう。そんな時だった。
「希望と愛を持ち続けましょう」
日本人夫妻の書いた一言。
日常的に用いるには少しクサイ台詞。でも、この言葉でどこか救われた気持ちになった。


好きと嫌い(ホーチミンシティ)
ベトナム・目次
[PR]
by mlsenyou | 2004-08-07 16:44 | ベトナム | Trackback | Comments(0)
トラックバックURL : https://mlsenyou.exblog.jp/tb/49180
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
<< カンボジアの売春婦とベトナムの... ジャール平原 >>


S M T W T F S
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30
カテゴリ
検索
フォロー中のブログ
目次、リンク、プロフィール
エキサイトブログ以外のHP、Blogのリンク

橙色の豚・メイン目次


クリックで救える命がある。


プロフィール
1976年の早生まれ
埼玉県出身。
3年半リーマン生活の後、半年間、中国+東南アジア10カ国を旅する。
最新のコメント
 在ベトナム大使館の記事..
by ジェフ35 at 21:12
とても魅力的な記事でした..
by 株の初心者 at 17:25
なんというか面白い国です..
by 川村明宏 at 01:04
ちょくちょく拝見させてい..
by サトシ at 20:31
あの軍人が言っていたこと..
by mlsenyou at 10:40
ブログパーツ
  • このブログに掲載されている写真・画像・イラストを無断で使用することを禁じます。
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
関連リンク