サハダイヤモンド(銘柄コード:9898、ジャスダック)
内容とまったく関係のないサブタイトルをつけてしまった。とっさに頭をよぎったタイトルだが、たぶん
ジョジョの「ダイヤモンドは砕けない」から来ているんだろう。といっても、ジャンプを読んでたのは高校までだったので、この辺の話は知らない。
…いきなり話が脱線した。今回は「思ひ出株」の中でも異色を放つ銘柄、サハダイヤモンドについてだ。この株の思い出は他の銘柄の比にならないくらいある(良きにしろ悪きにしろ)。
言わずと知れた(?)仕手株の雄。かつては「
ジャパンオークションシステム(JAS)」という名前だった会社だ。JASの方がしっくり来る人も多いのではないだろうか。その前は「
宝林」という名前だったらしい。ひょっとしたら、仕手歴の長い人はこの名前が一番しっくり来るのかもしれない。
この会社、驚くほど経営状態がボロボロだ。
正確に言うと、ボロボロだった…いや、ボロボロは現在進行形か?
さっぱり分からない。
一時、ジャスダックの上場基準をクリアできなくなり「
上場廃止か?」と言われたこともある。
四季報には連続で「会社継続について疑義あり」などと書かれている。
しかし、つぶれない。
毎回、トンデモ級のピンチに襲われるのだが、その度に
新株予約権付社債などで資本金を増やしたり、株数を減らさずに資本金だけ減らす形式の
減資を行ったりして、何とか乗り切っている。減資に関しては正直言って私もよく分からないのだが、サハの場合は、
資本金を下げることで切り崩した資金を債務返済に充て、残りを資本剰余金にするといったところだろうと思う(やっぱりよく分からない)。資本金を減らしはするが、株式発行数そのものを減らすわけではないので、株主に負担はないと思われる(株式と資本金は分離しているので)。確か双日HDが減資を行ったときも株式数を減らさなかったと思った。おそらく似た方法をとったのだろう。※あいまいな知識なので、間違ってたらすいません。
業態も年々変化しており、初めはオークション事業なども手がけており株価も高かったのだが、多角化経営に失敗、一気に評価が下がる。その後も多角化経営をやめず、方向性を失った経営を続ける。そのため債務超過状態になり、上場廃止の危機を迎えたのだった。
この危機を、新株予約権付社債→資本金増強→新たに得た資金で債務一掃、といった手法で乗り切る。
乗り越えた結果、原点に還ることを決意し、宝石事業に一本化することを表明。しかし、リサイクル事業や喫茶店の買収など意味不明な行動はまだ続く。
ダイヤモンド事業では、株式発行による資金を元にロシアの
サハ共和国(愛知博のマンモス出土の国)のダイヤモンド原石購入権を取得する。そして、「視察」と称して株主対象のサハ共和国の見学ツアーを行う。さすがにツアーとは書かれていなかったが、明らかにツアーだ。定款に旅行業って書いてあったか?多角化経営の名残だろうか。言ってることとやってることがイマイチ統一されていないし、危なっかしいのだが、それでも何とか乗り切ってしまう。
そんな不思議さもあり、この銘柄は博打好きが喜んで手を出す環境を作り上げている。
なので、この株についての
掲示板は、
買い煽り、売り煽り、他HPの宣伝、理解不能コメントなどが飛び交っており、まさに荒れているという感じだ。
この株を知ったきっかけは、
まぐまぐで株のメールマガジンをとったこと。その内容は仕手株情報を流すものだった。
「あれ?
財務体質の堅実なところが良いってさんざん言ってなかったっけ?」
以前の記事を読まれた方からはそんなつっこみをされそうだが、それはあくまで基本スタンス。それだけを通したりはしない。何しろ、この株は見ているだけで面白いのだ。
この株の名前を知ってからしばらく見続けていた。
見始めた頃は20~30円台だったのだが、その後、徐々に下がり始める。
しまいには14円にまで下がってしまった。
ちなみに当時はまだ「
額面」というものが残っており、この株の額面は50円だった…
14円まで下がった時、ふと「今が買いかも?」と思った。いわゆる直感だ。
しかし、いつ潰れてもおかしくないような株だ。マトモに考えるなら、それが14円まで下がったということは潰れる可能性が高まったと判断すべきだろう。そう考え直し、直感の「買い!」を無視したまま見続けていた。
しかし、
仕手株に通常の理論は通用しない。
それから数日内に祭りが始まった。
ある日、突然ものすごいスピードで値段を上げていき、早くもストップ高。そして最終的には81円まで上がったのだ。
14円が81円。6倍弱の値上がりだ。
10000株くらいしか持っていないとしても、ボーナスが一回増えたのと同じくらいの効果がある。
こいつはすごい!
それから、いつ来るとも分からない祭りを夢見て、長い長い
皮算用が始まったのだった。
結局、81円という宝くじは来ず(2005年9月5日現在)、ほどほどの儲けで根気が尽きて手放したのだった。利益を年で割ったら…この資金を他の株に使った方が絶対に儲かったという程度。
宝くじは待てば待つほどあたらない。
ちなみに、ここの掲示板によく書かれていた言葉がある。
「この株は1、2円の利幅でコツコツと儲けるのが一番確実なんだよ」
確かにその通り。
しかし、それでは面白みがない。
夢を見るために買うのがサハダイヤモンドなのだ。今回はそれまでと正反対のことを言っている…?(笑)
なお、この会社が何度となく訪れる危機を乗り越えるのは理由があると思う。
私が最終的にこの株を買おうと判断したのは何となくこの理由かな?と思ったからだ。
たぶん、他の仕手株だったら、ここまで財務体質の悪い企業の株には手を出さなかっただろう。
そのヒントは、他社とは若干違う要素がこの株にはあるということ。
興味のある方は会社情報を細かく読んで、様々な想像を働かせてみると良いかもしれない。
実は
以前の記事にもこれを意識してヒントを書いたのだが、実際に気づいてみると他社とは違うことが分かるだろう。
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ワタミ~いろんな意味で期待~
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