バスの中のVCD。それは宝物庫。海外で見るVCDには様々なネタがつまっている。
それはミャンマーのバスも例外ではなかった。
ピイへ向かうバスの中、VCDが始まると、そこからは聴きなれた歌が流れ出してきた。
「あの日 あの時 あの場所で 君に会えなかったら 僕らはいつまでも 見知らぬ二人のまま♪」
歌詞はミャンマー語だが、思わず口ずさんでしまうこのメロディ。
そう、これは小田和正の「
ラブストーリーは突然に」のミャンマー語版だ。
「あの日あの時」と来れば、その次に頭に浮かぶのは当然…
「カーンチ!○○○しよ!」
このネタ、もはや今の学生には分かるまい。当時、このセリフはものすごく衝撃的だったのだ。ただ単に、自分が中坊だったからかもしれないけど。
VCDを観て驚いた。
これはバブル期に流行ったトレンディードラマの名作「
東京ラブストーリー」そのまんまではないか!
役者は全員ミャンマー人になり、過激なところはソフトに修正されているが、内容は「東京ラブストーリー総集編」に間違いない。このリメイク、つっこみどころが多い。
まず…
ドラマの最中に「ラブストーリーは突然に」がむやみに流れる。
悲しい時、楽しいデートの時、何でもない時…って「
いつもここから」のネタではないが、とにかく曲のイメージと無関係なシーンで「あの日あの時♪」が流れる。VCDを観ながら何度も「そこにこの曲はちょっと…」と思った。
次に…
なぜか財津和夫の「サボテンの花・ミャンマー語版」もむやみに流れる。
これら二つの曲は交互に流れていると言ってもいいくらい頻繁に無差別に流れていた。
こっちは「
あんちゃん!」こと「
一つ屋根の下」の歌だ。
これを書いている今気づいたが、昔みたドラマってけっこう覚えているもんだな。「小雪ぃ」のマネをよくしたものだ。
さらに…
デートが寺院参拝&ゲームセンター。
もちろん挿入歌は上記の二つ。寺院参拝はお国柄だろうけど、ゲームセンターはちょっと…やってたゲームは日本語だったし、コイン挿入口の「50円」ってのも映ってたぞ。場所の選定は正しかったのか?
そして…
部屋は真っ青な壁に真っ赤なカーペット。
若干ですが趣味が悪いと思います。
また部屋には留守電があり、これが使われるシーンがあるのだが、そこでは…
留守電を知らない人々のために留守電のフタを開けて、中にテープが入っているのを見せている。
「受話器を取っていないのに、どうして人の声が聞こえるんだろう?」という疑問を想定してのことだが、ドラマの流れを止めてまで留守電にこだわる必要はないのでは?
上の留守電に似ているのだが、オフィスには…
コンピュータが置いてあるが正しい使い方が分からず、キーボードも打たず、電源の入っていない真っ黒な画面を笑顔で見つめている。
精一杯の背伸びが痛い。
これらはまあ仕方ないが、何よりも一番の問題は…
ヒロインがどう見てもベテラン女優。
松方弘樹のようなメガネをかけているのに、頭に赤いリボンをつけるのは、若干ですが無理があると思います。
そんなドラマであるが、ラストは原作通り、結ばれずに終わるのであった。
ミャンマー編でも東京ラブストーリーはラストが切なかった。
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ミャンマ-珍現象(ピイ)
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ミャンマー・目次