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by mlsenyou
 
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フォーリンラブインシェムリアップ
日本人だけが現地人に恋をするわけではない。
現地人が日本人に恋をすることもある。

シェムリアップでの話。
ここでは日本人宿ではなく、普通の宿に泊まる事にした。

幾つかの宿をまわり、最終的に選んだ宿は家族経営の良心的な所だった。
彼らの知っている日本語は「オニイサン」だけ。でも、笑顔を絶やさず親切な人たちだから気は楽だ。
こういう宿を見つけると嬉しくなる。
ちょうどこの宿にはバイクを持っている青年がいたので、アンコールワット見学は彼に頼むことにした。

ちなみにこの青年、性格は一言で言うとアホだ。
バイク走行時にかわいい子を見かけると、必ずスピードを落とし、目の保養をする。
その後「どうだ!」と言わんばかりの勝ち誇ったような顔つきで私を見てくる。
お前の行動は面白いけど、勝ち誇られてもなあ…
彼はこんな行動ばかりとるが、バイクの運転技術はかなり上手かった。
道路のデコボコをたくみに避けながら、どんな道でもスピードを落とさずにスイスイと走っていく。
高い運転技術のバイタクは多いが、その中でも彼は特に優れていたように思えた。

アンコール見物の一日目が終わり、彼と鍋をつついている時、話が好きな女性のことに移った。
聞くところによると、彼は宿に泊った日本人女性と恋仲になったことがあるらしい。
「これが俺の彼女だ」
恥ずかしいけど見て欲しいといった様子で、私に彼女の写真を見せる。
おとなしそうな女性が映っている。バイクで案内している間に仲良くなったらしい。

彼は私を案内中、事あるごとに彼女の話をしていた。
彼女と一緒にいた時のことがよほど楽しかったらしい。彼女と結婚するのが夢だと言っていた。
知り合って一年くらいだが、カンボジアには二度来てくれたというから、彼女もその場の恋ではなくマジメに考えているのかもしれない。

話をしているうちに、彼女から来たメールを見ることになってしまった。
プライベートの話なので、見て良いものか?とためらったが、青年の方は見せたくてたまらないらしい。
そこで彼女からのメールを見ることにした。

「良い友達でいましょう」

英語でそう書いてある。そのメールを一通り読む。
写真のイメージ通り優しい女性のようで、やわらかい文章で傷つけないように書いてある。
しかし、内容自体は「あなたとは付き合えません」ということだった。
丁寧だが見方によってはまわりくどく、何を言ってるのか分かりづらい。こういう文章は日本人以外に通じるのだろうか?
彼の様子を見てみる。
恥ずかしそうだが、ニコニコしている。嬉しいようだ。

やはり伝わってない。

嬉しそうに見せてくれたメールの内容が断りのメール。
案の定、感想を求められた。こんな時、どう答えるべきなのだろうか。正直言って困ってしまった。

一瞬まよったが、こういう事は率直に言った方が良いだろうと判断。
彼に「これ難しいよ」と言ってみた。しかし「大丈夫」の一点張りだった。
たぶん、この女性はもう来ないのだろう。
でも、この青年は近いうちにまた来ると思い込んでいるよ…
信じて疑わない彼の様子を見ているうちに、何だかいたたまれなくなってしまった。

断るときはハッキリと言った方が良いよ。きっと。

ポルポト(シェムリアップ)
カンボジア・目次
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アンコールワットから見下ろす。
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by mlsenyou | 2004-11-30 08:35 | カンボジア | Trackback | Comments(6)
 
空中浮遊(プノンペン~シェムリアップ間)
ベトナムにいた時、カンボジアの道路事情はひどいと聞いていた。
とんでもないデコボコ道らしいので、きっと移動は疲労を伴うのだろう。

しかし、実際に入国してみると道は噂ほどひどくはなく、ベトナムと大して変わらない。ベトナムで、サスの効かない公共バスに長い間乗っていたから、たいていの振動には慣れてしまったのかもしれない。どちらにしても移動は楽だった。
楽といえば、特にプノンペンからシアヌークビルに行く間の道は快適そのものだった。道路の質が今まで訪れたどこの国と比べても格段に良い。
なぜこんな場所にこんな質の高い道路があるのだろう?
その答えはすぐに分かった。
この道は、自衛隊がカンボジア復興の際に作り上げた道路だったのだ。
最近の自衛隊派遣について言うつもりはないが、カンボジアのこの道路に関しては自衛隊は本当に良い仕事をしたと思う。

そんな事もあったため、カンボジアの道路は私の中で悪路ではないという結論に達しようとしていた。

「この程度なら余裕。本だって読めるぜ」

その慢心は後に神秘的な体験をするきっかけになる。

プノンペンからシェムリアップに向かう途中のことだった。
この道はものすごい悪路と聞いていたが、話に聞くほどひどいとは思えない。

やはり噂は噂に過ぎないのだろう。振動は多少あるが、慣れてしまえば大したことではない。
そう思い、安心した私は座席であぐらをかいたまま本を読み続けていた。
そんな私を乗せて、バスはカンボジアのほこりっぽくて茶色い道を走り続ける。

本を読み飽きてあぐらをかいたままくつろいでいると、突如、バスの前方が道に沈んだ。
そして、その後すぐに重力を感じなくなった。
ふと気づくと私の体があぐらをかいたまま宙に浮いている。まるで、某団体の某教祖の写真のように空中浮遊をしているのだ。
「???」
一体いま自分に何が起きているのだ?

ガンッ!!

浮いている理由をつかむ間もなく、頭を荷台に激しくぶつけた。かなり痛い。目から火花が出る感覚とはこういう感覚なのだろうか。

「Are you OK?」
「Are you OK?」

周りの旅行者から心配され、頭を押さえながら現状把握を試みる。
どうやら激しいデコボコ道のせいで、バスが波をうつように移動していたらしい。バスに乗りながら飛行機のエアポケットに入ったような感じだ。この道を通るならシートベルトをつけた方が良い。
私の空中浮遊を見ていたドイツ人が運転手に抗議していたが、言葉が通じず、面倒くさそうに「OK」の返事で済まされていた。

噂の悪路とはこういうことだったのか。

これをきっかけにして悪路の本領が発揮される。
窓を閉めているはずのバス内にどこからか大量の土ぼこりが入ってきて、道路だけでなく車内までもが視界不明瞭になる。
そのほこりのため、鼻の中が真っ黒になる。
荷台に入れていた緑色のリュックは見事な黄土色に変わっている。
プノンペン~シェムリアップ間の道は噂に違わぬとんでもない悪路だった。

ちなみにこの時すでに旅のルートを決めており、この道は往復する予定になっていた。
また俺は浮遊するのだろうか?
帰りのバスに乗るのが怖かった。

フォーリンラブインシェムリアップ
カンボジア・目次
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by mlsenyou | 2004-11-26 14:43 | カンボジア | Trackback | Comments(0)
 
フォーリンラブインプノンペン2
そこで、彼女との進展具合を聞いてみた。

昨日、デートの約束をしたがすっぽかされたとのこと。
その約束も、英語を話せる店員の通訳を介して取り付けたものらしい。
彼女は英語が話せない。彼はクメール語が話せない。二人きりでは伝える言葉がないのに、よくやるもんだ。
今日は現地の人にクメール語のラブレターを書いてもらい、これを最終兵器として出す予定とのこと。

端からみると縁がないように見えるのだが、この学生は、彼女のふとした仕草も自分にとってプラスの方向に結び付けてしまう荒技を次々に繰り出している。すさまじいプラス思考だが…方向性を間違えるとちょっとヤバイ気もする。
なかなか上手く行かないやりとりに、彼が切なそうな表情を見せはじめた。言葉が通じないため、思いのたけを伝えられないのだろう。

だったら、言葉を通じさせれば良い。

どうせ明日まで時間が余ってるのだからと思い、私は先に宿に戻ってクメール語の簡易会話集を作って彼にあげることにした。例え簡単な言葉でも、話せるようになれば多少印象も変わるものだ。

蚊にアチコチ刺されながら作り続け、ようやく会話集が完成。しばらくすると彼が戻ってきた。
どうだった?と聞くと疲れた表情で一言ぼそり。

「毛のないドン・キングに怒られた」

彼女に最終兵器を渡した後、アクセサリーを買って欲しいとせがまれたらしい。なので改めてデートの約束をしようとしたら、毛の生えていないドン・キングのような店主が飛び出してきて、突然怒られわけも分からず追い出されたという。

毛のないドン キングは果たしてドン キングといえるのだろうか?

とりあえず、落ち込んでいる彼に会話集を渡して寝ることにした。
寝る間際、「彼女にふられたら速攻でシェムリアップに行く」と言っていた。最初、ベトナムに行くって行ってなかったか?
数日中に私もシェムリアップ入りするつもりだ。アンコールの遺跡群は一日では見られるものではないから、きっと追いつくだろう。
つっこみどころ満載のこの学生。
彼が今後どこへ行こうとしているのかは、よく分からない。

10分の差(シアヌークビル・ビクトリービーチ)
カンボジア・目次
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ドン・キング。ボクシングのプロモーター。
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by mlsenyou | 2004-11-23 11:35 | カンボジア | Trackback | Comments(0)
 
フォーリンラブインプノンペン
プノンペンに着いてから二日目。サダゲストハウスに泊まることが出来た。
その後はキリングフィールドやトゥールスレン、シルバーパゴダ、セントラルマーケットなど様々な場所をバイタクと喧嘩、いや、交渉しながらまわった。
そして、シアヌークビル行きの前日。

宿の日本人と話をしている内に夕方になったので、晩飯を食べに行こうとした。
夜、広場にオープンする中華料理の屋台。ここのチャーハンはとても美味く、ほぼ毎晩通っている。この日もそこへ行こうと思っていた。しかし…

「一時間でいいから、酒飲みに付き合ってくれませんか?」
学生に頼み事をされた。
一時間というのが良く分からない。といっても断る理由も無く、面倒な店だったら嫌だな~と思いながらもついていくことにした。

着いた先は普通の食堂だった。彼は鍋をオーダーする。
どうやら、ただ単に鍋が食いたいからついてきて欲しかったらしい。それなら大歓迎だ。

そう思っていると突然、「あの子です」と彼が指をさして言った。
その指を追っていくと、その先にはビアガールが。どうやらこの学生は彼女に惚れこんでいるようなのだ。

ちなみに彼の予定を公表すると、本来なら今頃はベトナムにいるはずらしい。実際、ビザもすでに取っている。
一日で抜ける予定だったプノンペンでこの女の子に一目ぼれをし、それ以降、何日も滞在し続け、毎日この食堂で鍋を食ってビールを注文しているらしい。
「食事も喉に通らない」と言っているくらいだから、相当ほれ込んでいるのだろう。しかし、そのわりに鍋をつついているし、連日、夜遊びに出かけているようだが、それは気のせいか?

フォーリンラブインプノンペン2
カンボジア・目次
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by mlsenyou | 2004-11-21 13:54 | カンボジア | Trackback | Comments(0)
 
臆病者の行進(プノンペン)
カンボジア国境を抜け、メコン川をフェリーで渡る。
対岸についた後、しばらくバスは走り続ける。
国境からプノンペンまでは遠いのか、道が悪いのか。到着したのは日が完全に落ちてからだった。

プノンペンに着いてから、同乗の日本人とすぐに宿を探した。
その名はサダゲストハウス。ホーチミンシティで同部屋だった人から教えてもらった日本人宿だ。

日本人宿。それは人によって様々な印象を持つ場所。
日本人宿にしか泊まりたがらない人もいれば、毛嫌いして徹底的に避ける人もいる。普段は他の宿に泊まり、情報収集で訪れる人もいる。

「周りが外人ばかりだと話し相手がいなくて寂しい」
「せっかく外国に旅しに来てるのに日本人同士で固まるのは嫌だ」
「何だかんだ言っても便利だから、利用だけさせてもらう」

それぞれの言い分は違う。
私は特にこだわりは無く、周りの評判とその時の気分で宿を選んでいた。
評判の良い宿は、自分で開拓するよりリスクが小さいので、わりと安心できる。サダを選んだ理由もそれだった。

地図を見ながら明かりの無い道を歩く。
正直言って怖かった。今でこそプノンペンの治安は良くなってきているが、ほんの数年前までは宿から道を挟んで目の前の店に行く途中、強盗に遭ってボコボコにされたという話も聞いていた。
また、実際の治安状況も把握していないので、いつもより周りを警戒しながら歩いていた。有事の際のシミュレーションは頭の中ですでに複数のパターンをこなしている。
有事の前に、とにかく警戒。何か起きてから行動するんじゃなくて、何も起きないように行動するのが本当の意味のリスク管理だ!
そんな風に鼻をふくらましながら歩き、ふと隣を見ると、もう一人の日本人は普段と変わらず平然としていた。とても自然体だ。
…何だか自分がバカみたいに思えた。

少し迷ったが、何とかサダゲストハウスに着いた。これでようやく暗い道を歩かずに済む。ホッとしながら、サダさんらしい人に話しかけてみた。

「今日はもう満室」

明かりのない帰り道。せめて月明かりくらいは欲しかった。

キリングフィールド(プノンペン)
カンボジア・目次
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by mlsenyou | 2004-11-19 02:27 | カンボジア | Trackback | Comments(0)
 
やはりそうだったか…
レポート機能に不具合が発生しております
ある日、訪問者数レポートを開いてみたら417。
なんじゃこりゃ!?
普段、このBlogは15~40、多いときで100くらいなのに、いきなり400以上なんてありえない。レポート機能が壊れたのかな?と思っていたら、案の定、エキサイトの方で不具合が発生していたそうです。架空の数字で訪問者数が増えてもなあ…
いや~びっくりした。
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by mlsenyou | 2004-11-17 19:00 | 更新記録 | Trackback | Comments(0)
 
国境越え(ベトナム~カンボジア)
ホーチミンシティからプノンペン行きのバスに乗る。いよいよ次の国、カンボジアだ。
ベトナムはとても「濃い」国だった。この国の持つデタラメさは実に楽しくて何故か懐かしい。再び訪れたい国だ。
ただ、中国と比べると早足で駆け抜けた気がする。
急いだぶん細かいエリアを見逃した感があるが、今後の予定を考えるとこのぐらいのペースで進んだ方がいいのかもしれない。
おそらくカンボジアも同じようなペースで進むことになるのだろう。

バスの中でガイドブックの地図を広げながら、大まかなルートを決めた。
この国は首都プノンペンを中心にして都市が散らばっている。
プノンペンには度々立ち寄ることになりそうだ。

ちなみにガイドブックはハノイで買い込んだロンリープラネットを使っている。
このガイドブックは本当に使い勝手が良い。
「歩き方」のような、ある種の押し付けがましさがまったくなく、旅人自身の選択を尊重し、それを最大限サポートするというスタイルをとっている。
だから、知りたいと思う情報が詳しく載っている。若干うざいくらいに(笑)
それでいながら文章主体だから、見たい遺跡などは自分の目で見るまで楽しみをとっておける。
難点は、英語なので分からない単語を調べる必要があること、そして外国人に盗まれること。後のことになるが、実際に一冊盗まれてしまったことがあった。誰にでも読める本は誰からも盗まれる可能性があるということだ。

ルートを決めて隣りの日本人と話をしていると、ベトナム国境の街、モックバイにたどり着いた。
出国手続きをするため、出入国管理所に入ると、窓口には人があふれかえっていた。中には係員が一人だけ。山のようなパスポートがあるにも関わらず、マイペースでゆっくりとハンコを押している。
遅いなあ…とイラついていると、バスに同乗していた日本人が、すっと現れ、堂々とした態度でロシアパスポートのカバーをつけた日本パスポートを係員に渡した。
すると、たちまち係員の態度が変わり、彼だけすぐに手続きが終わった。

「共産国なんてこんなもんだよ。上には逆らえないってことだ」

…この日本人、何者だ?
ひょっとしたら、ものすごいオヤジなんじゃないかと思い、いろいろ話を聞いてみる。どうやら会社を経営しているらしい。そして休暇をとってベトナム、カンボジアをたびたび訪れているそうだ。
…何でそんなに通っているんだろう?
再び聞いてみる。
理由は大麻と現地妻らしい。
…いろいろな人がいるもんだ。

手続きが終わり、カンボジアへ。
メコン川を渡る事前の街でバスが停車すると、たくさんの人がバスに群がってきた。子供がさかんに手を出す。

「マネー、マネー」

初めての光景だった。

中国やベトナムではこういう光景は見かけなかった。
インドに行くまではこういうことは無いだろう…そう思っていた私に心の準備などまったくなく、目の前の人々にただ、ただ驚くだけだった。
自分の平和ボケを改めて実感。

臆病者の行進(プノンペン)
カンボジア・目次
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カンボジア国境。その先に見えるのはベトナム国境。
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by mlsenyou | 2004-11-16 10:24 | カンボジア | Trackback | Comments(0)
 
次回
今回でベトナム編は終わりです。
次回からはカンボジアになります。
といっても、もう既にいくつかUPしてますが…
以前、書いたカンボジアの記事は画面右上の「カテゴリ」からどうぞ。
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by mlsenyou | 2004-11-14 10:05 | 更新記録 | Trackback | Comments(0)
 
ベトナムの旅路・目次
~ルート~
 1.中国・河口→ベトナム・ラオカイ(徒歩)
 2.ラオカイハノイ(公共バス)
 3.ハノイハイフォン(列車)
 4.ハイフォンホンガイ(ハロン湾)(船)
 5.ホンガイハイフォン(船)→ハノイ(公共バス)
 6.ハノイフエ(公共バス)
 7.フエホイアン(公共バス)
 8.ホイアンニャチャン(ツーリストバス)
 9.ニャチャンホーチミンシティ(サイゴン)(ツーリストバス)
10.ホーチミンシティメコンデルタ、クチ(一日ツアー)
11.ホーチミンシティ→カンボジア・プノンペン(ツーリストバス)

ベトナム大使館へはここをクリック!

~目次~
 1.国境越えの日2~新しい国~(河口、ラオカイ)
 2.国境越えの日3~アホい稲妻~(ラオカイ~ハノイ間)
 3.サトウキビの幸せ(ハノイ)
 4.冬の食あたり祭り(ハノイ、ハイフォン)
 5.岩より窓(ハイフォン、ホンガイ)
 6.押しの弱さ(ホンガイ、ハノイ)
 7.最終兵器
 8.ホーチミン廟(ハノイ)
 9.大敗北1(ハノイ)
10.大敗北2(ハノイ)
11.大敗北3(ハノイ)
12.宴会(ハノイ)
13.公共バス(ハノイ~フエ間)
14.日本宿の達人たち(フエ)
15.ガス欠(フエ)
16.日本橋のツアー客(ホイアン)
17.就職活動(ホイアン)
18.インスタントラーメン(ホイアン~ニャチャン間)
19.ニャチャン
20.パスポート忘れ(ニャチャン)
21.おい、オヤジ…(ホーチミンシティ)
22.サソリバスター(メコンデルタ)
23.サソリバスター2(メコンデルタ)
24.クチトンネル
25.うっかり写真も送れないぜ。(ホーチミンシティ)
26.戦争証跡博物館(ホーチミンシティ)
27.好きと嫌い(ホーチミンシティ)



カンボジア編
メイン目次

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by mlsenyou | 2004-11-12 00:24 | ベトナム | Trackback | Comments(4)
 
好きと嫌い(ホーチミンシティ)
ベトナム出国前日、ホーチミンシティで行き残した場所をバイタクで周った。

ベトナム滞在も2週間半ばを過ぎると、さすがに拙いながらも旅で使う言葉を多少操れるようになってくる。よく使っていた言葉の中で、自己紹介だけは異常に評判が良かった。

ベトナム語は中国語のように音の高低で意味が異なる。
音の上げ下げなど、細かいことはもちろん分からず適当に発音していたのだが、自己紹介の発音は現地人もビックリの絶妙さを持っていたようなのだ。それまでのデタラメベトナム語から突然ネイティブレベルの自己紹介が出てくる。それに驚くベトナム人を見ると、思わず左とん平の「ワッチャネーム?」に驚いたアメリカ人の話を思い出してしまう。「ヘイ・ユウ・ブルース」が聴きたくなる。

調子に乗ってバイタクに自己紹介をし年齢を言うと、たちまちベトナム語ラッシュが返ってきた。まったく分からないので「ごめんベトナム語ほとんど話せない」と言うが、なかなか信じてもらえない。数回言って、ようやく英語に切り替えてもらった。一言だけ異常に上手いと、その後の会話で苦労をする。

…ところで、ベトナムを旅する間、私は現地の人に戦争の話を持ちかけないようにしていた。きっかけは、何かの本に「戦争の傷跡はまだ人々の中に残っていて、彼らはその事をあまり話したがらない。まだ戦争の話に触れるべき時ではない」と書いてあったこと。「そりゃそうだ」と妙に納得してしまった。

終戦のはるか後に生まれた私は当然、戦争体験をしていない。
だから、戦争について知ったかぶりはできるが、彼らの痛みを本当に理解することはできない。
当時のことに興味はある。
しかし、無知ゆえに無神経な質問をしてしまい、人それぞれが持っている誰にも踏み込まれたくない領域に土足で踏み込んでしまうようなことだけはしたくない。
あえて触れなかったためか、これまでベトナム人から戦争の話を聞くことはなかった。
これまでは。

街を走っている間、バイタクといろいろ話していた。
ベトナム語を覚えようとする理由や今までの旅のこと、これから向かう先のことや家族のことなどだ。今回のバイタクは気さくな感じの男で話しやすい。
家族のことを話した後、彼がふと聞いてきた。

「お前はアメリカが好きか?」

一瞬、返事につまった。そして何と答えようか考えた。
いろいろと言いたいことがあったが、難しいことを言えるほど英語が上手くはない。なので、「Yes」と答えるしかなかった。すると、彼は「そうか」とうなずき、そしてこう言った。

「俺はアメリカが嫌いだけど、好きだ」

話によると、彼の父親は戦争中、アメリカ兵に殺されたらしい。だから、彼はアメリカ人を非常に憎んでいた。
しかし、その一方でバイタクという仕事上、アメリカ人は貴重な収入源にもなっている。彼らは交渉の際、ほとんど値切らずに乗ってくれるらしいのだ。
彼の今の生活はアメリカ人に支えられているといっても過言ではないらしい。

「アメリカは嫌いだけど、マネーは好きだからな」

バイタクは小さく笑ってそう言った。自嘲気味に言っているように聞こえたのは私の気のせいだったのだろうか。

アメリカと国交を回復し、様々な資本が入ってくるようになってから、ベトナム経済は目ざましい成長を続けている。
冷戦崩壊後、世界から孤立しがちだったこの社会主義国に突如入ってきた資本の波は、人々に大きな影響を与えたようだ。
それは良い面も悪い面も含めて、人々の考え方を大きく変えていった。あるいは今もなお、変え続けているのかもしれない。

アメリカを筆頭に広がり続ける資本主義社会。
そしてそれにひたすら追従する日本。金払いの良さは、時にアメリカを越えている。
他国からの訪問者が増えたことで、「バイタク」になった彼の目に日本はどう映っているのだろうか。

彼のアメリカ論はすぐに終わった。
その続きを聞くことは出来なかった。

国境越え(ベトナム~カンボジア) 
ベトナム・目次
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by mlsenyou | 2004-11-12 00:15 | ベトナム | Trackback | Comments(2)


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プロフィール
1976年の早生まれ
埼玉県出身。
3年半リーマン生活の後、半年間、中国+東南アジア10カ国を旅する。
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とても魅力的な記事でした..
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なんというか面白い国です..
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ちょくちょく拝見させてい..
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