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by mlsenyou
 
ポルポト(シェムリアップ)
ポルポトの死亡に関して、暗殺されたのではないかという噂がある。

シェムリアップで地雷博物館を訪れた。
博物館はクメールルージュだった人が運営し、来訪者からの寄付金を元に地雷の撤去を行っている。
この人は、幼い頃両親をクメールルージュに殺され、自分自身はクメールルージュによって立派な「兵隊」に育てられた…銃の打ち方、地雷の設置法、簡単な爆弾の使い方をその身に叩き込まれて。
また、軍隊は他勢力への恐怖心によって統制されていたらしい。彼らにとって人が死ぬことはごく日常のことだったようだ。

トゥールスレン博物館を訪れた時、「本当にポルポトが拷問方法まで指示をしたのか」という疑問が生じていたので、このことについて地雷博物館で少し説明していただいた。

説明によると、ポルポトではなくその下の人間の暴走が無差別な殺害をもたらしたらしい。
また、ポルポトは毛沢東の熱烈支持者で彼自身が中国人であったという。
カンボジアに移り、中国よりもさらに過激な「原始共産主義」を提唱。全ての国民は農業に回帰すべきだと唱えたようだ。
彼は原始共産主義を実行するにあたり、初めにこの主義に相反する知識階級や富裕層を迫害した。都市の人間を農村部に送り込み、農作業をさせる方法だ。
当然、都市部に住んでいた人間は農作業が上手くできず、やがてそれは処刑の名目になっていった。

ここからクメールルージュの暴走が始まる。
思いつくだけの残虐を行ったのだろう。
しだいに暴走していく彼らの行為は、もはや提唱者のポルポトですら抑える事ができなくなっていった。傀儡の代表は実際の権限を持たない。
そしてポルポト自身も部下に殺されてしまった。

ポルポトがどんな人間性を持っていたか、またポルポト自身が提唱した原始共産主義がどんな内容のものだったかは分からない。
ただ、一つ分かることはポルポトにしろマルクスにしろ本人の唱えた主義がその通りに実行されるのは難しいということ。
なぜなら実際に実行するのは本人ではないから。

思想は自分から離れていった時、別の生き物に変わるらしい。

うろ覚え解説1(シェムリアップ)

カンボジア・目次
by mlsenyou | 2004-08-07 17:54 | カンボジア | Trackback | Comments(0)
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プロフィール
1976年の早生まれ
埼玉県出身。
3年半リーマン生活の後、半年間、中国+東南アジア10カ国を旅する。
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