NTTドコモ(銘柄コード:9437、東証一部)
携帯電話加入数シェア1位の言わずと知れた超優良企業。
そして、高額な利用料で国民の支出分を減らし、日本経済を失速させたと囁かれる会社。
真偽の程は分からないし、あまりにも儲けている事へのやっかみのような気もするが、利用料金が高いのは事実。
番号ポータビリティー制度の導入やソフトバンク等の新規参入が待ち遠しいところだ。
まあ、どちらにしても、そう思われるほどドコモの売り上げはすごい。0.01%でいいから分けてもらいたい(笑)
ところで、初めて株取引を始めた頃、「いつかは○○株を買えるようになりたい!」っていう目標を立てた人はいないだろうか?
私にとっての「○○株」はドコモだった。
携帯電話がドコモというわけでもないし、格別好きな企業でもない。
しかし、ドコモは
ITバブルの時期に一株7000万円台の驚異的な株価をつけた事がある銘柄だ。これを買えるくらいの資力をつければ、いっぱしのトレーダーといえるのではないだろうか(ちなみに目標とした時の価格は200万円台)。
ドコモ→トレーダーの証明。
自分の中でそんな根拠もない構図が出来上がっていたのだ。
そんな目標を持ちながら中長期主体の株投資を行っていたある時、何と…
なかなか手を出せないドコモ株が1株→5株の株式分割を行い、お手軽な値段になってしまったのだ!
分割発表当時は、目標としていた銘柄の購入可能価格がいきなり5分の1に下がってしまったので、かなりガッカリした。
しかし、5分割したなら5株買えば良いだけのこと。
そう考えて5株買える程度の資力を蓄えることにした。
しばらく経ち、余剰資金で…というわけでは決してないが、5株買えるだけの資力がついた。ただ、その頃のドコモはあまり魅力的な株ではなくなっていた。理由は簡単。
携帯電話市場が飽和状態に近づいており、成長性が感じられなかったからだ。
株価も徐々に下がりつつある。自分の銘柄選定基準からすれば問題外の銘柄だ。
しかし、そこは憧れの銘柄。上がるという自信はなかったが、とりあえずいっぱしの証明のために買うことにした。
当たり前だが、根拠も自信もないのに憧れだけで無理して買うと絶対失敗する。
憧れのドコモさんは買った日から順調に下がっていき、短期間で買値の80%くらいの値段になってしまった。
話は変わるようだが、私はそれまで株取引で負けたことはない。
なぜなら、それまで
含み損を負けと認めたことがなかったから(笑)
しかし、今回は違った。
含み損を負けと認めないのは、その銘柄の購入理由を説明できる時だけで、一時的に下がっても必ず上がるという根拠を持っていたからだ。ドコモに関しては単に惰性の憧れで買っただけであり、上がる根拠も何もない。
そのため目標だった株で初めての損切りという失態をすることになった。「初恋は実らない」とは株の世界でも言えることなのだろうか。
負けの額としては20数万くらい。決して安くはないし痛いが、収集のつかない大失敗というわけでもない。むしろ、
思い込みで買うと必ず失敗することを大失敗せずにこのくらいの損失で実感できたのはラッキーだったのかもしれない。
損切りをした後のドコモさんはその後も下がっていった。切るタイミングは決して早いとは言えなかったが、その後も持ち続けていたら損失はさらに広がっていただろう。
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インテリジェンス~種は早いうちに蒔け~
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