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USEN(銘柄コード:4842、大証ヘラクレス)
上場銘柄の中には「
多くの○○信奉者が保有」する株がある。
信奉者が多くて有名なのは
マネックス・ビーンズHD(銘柄コード:8698)だろうか。松本大氏ファンがマネックス株を持ち続けているというのは以前に聞いたことがある。私も「この人の経営する会社なら買ってもいいかな」と思う人物がいる。
一人は
ワタミの渡邉美樹氏。
もう一人はUSENの社長、宇野康秀氏だ。
ちなみに最も尊敬するのは
ヤマトグループの故小倉昌男氏。しかし!ヤマト運輸株は高くて買えましぇん…4ケタで1000株単位はサラリーマン時代はとても痛く、手が出せない金額だった。今でもわりと迷ってしまう。迷う事にはいろんな意味もあるが。
宇野康秀氏が率いるUSENの以前の社名は有線ブロードネットワークスといい、有線放送事業等をメインに行っていた(今もメインだが)。
私が初めて彼を知ったのは、ニュースで「光ファイバー事業に乗り出す」という発表をした時だった。当時はまだブロードバンド利用者が少なく、各社がADSLで競いあおうとしている頃だった。有線事業をしている関係も大きいのだろうが、彼は一過性のADSLではなくその先の光の時代を見越していたのだ。ADSLで競い合えば自然と体力勝負になり、必然的に大きい会社が勝つことになる。しかも勝ったところで値段競争が激しすぎるため採算が合わない。それを読み、あえて先手を打ったように思えた。
当時、ブロードバンドに切り替える時はADSLを飛ばして光にしようと思っていた私には衝撃的だった。光に切り出すタイミングが非常に早く、他者とは明らかに一線を画していたからだ。
現在、USENの光事業は順調に推移している。
この会社の光事業の特徴としては「全国どこでも」でないことがあげられる。NTTのように半分公共事業の会社ではないので、
エリアを絞って戦略的なサービスを展開する事ができるのだ。
戦略として選んだのはマンション等の集合住宅。採算面で効率が良いからだ。この社長、先進性を有しているだけでなく、実は手堅い。ヘラクレス上場の銘柄だが、新興市場にありがちなイケイケ系とは色合いが違う。
さらにチャレンジ精神も旺盛だ。
GyaOのようなインターネットテレビも展開し、社長本人が「REAL BUSINESS」という番組を持ち、注目されている企業家と対談している。
さらに後に記事にすることになるが、
彼は人材派遣会社「インテリジェンス」も立ち上げている。光通信と人材派遣。今は既に大きな市場になっているが、宇野康秀氏はこれを想定して何年も前にこれらの事業を立ち上げていたのだ。
…などと宇野氏をベタ褒めしているが、彼はそれだけすごい経営者ということだ。もちろん会って話をしたことなどなく、外部からの勝手な評論だ。
さて、この銘柄、上場してからどんどん株価が下がった。
確か初値が16万くらいと思ったが、私が買った時は4万円台。
その後、NYテロなどがあり頭痛がしてくるレベルにまで株価は下がる(確か9800円くらいまで下がったと思った)。しかし、宇野氏の先見の明に中長期投資を決め込んでいたため、損切りなどはまったく考えず、テロの余波が薄まるのを待ち続けた。日経平均でいえばまだテロ前の水準には戻っていないので、テロの余波はまだ続いているのかもしれない。しかし、USEN保有時はある意味、受難の時期といっても良かった。猛烈な含み損ばかりの株を持ち、ごく少ない含み益の株を売る。そしてその金を東南アジアの旅の足しにする…時代が今ならもっと良い宿に泊まれたかもしれないのに!と試しに言ってみる。
まあ、旅中でどんなに儲かったとしてもおそらく安宿に泊まり続けるだろうけどね。
そんなUSENだったが、受難の時期を乗り越え、株式分割という形で中期保有の期待に応えてくれたのだった。
その後も、わりと短期ではあるが、この銘柄を何度か売買している。
インテリジェンスも含めて、まさに宇野氏様々だ。
優れたベンチャー経営者は先見性はもちろんのこと、
手堅さとチャレンジ精神を兼ね備えていることが必要と思う。手堅さとチャレンジは一見矛盾するように思えるかもしれないが、両立するものだ。これができている経営者がいる企業は非常に成長性がある。
そのためには
企業内容だけでなく、経営者を知ることも大切なのではないだろうか。
それが、USENを売買した時に感じたことだった。
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